おはようございます。古江です。
週が明けましてやけに寒いと思ったら室温が11℃… 長野県は寒暖差が特に激しい地域です。朝と夜は昼間と比べて寒いと思うことがよくあります。
さて、先週の土曜日になりますがZoomでの”人間と性”教育研究協議会長野サークル主催の、「LGBTと社会」という講演会に参加させて頂きました。2時間半弱の講演会でしたが、色々と気づかれる部分もあり、大変参考になる場だったと感じています。
タイトルにもありますように、理解が先か。法が先か。というのはLGBT関連法案に関してです。私はブログでも著書のほうでも、スタンス的には認知や理解が先で、その後に法という考えでした。が、今回の講演会に参加してその順序は逆なのではないか?と考えるようになりました。
講演会資料からの引用になりますが、
同性婚と自殺率の関係
”人間と性”教育研究協議会長野サークル「LGBTと社会」講演資料より
(1) デンマーク自死予防研究所とストックホルム大学の共同研究(2020年発表)
1989~2002年に比べて,2003~2016年は、同性カップルの自死率は46%減少,
異性カップルは28%減少。
ちなみに、デンマークでは2012年に,スウェーデンでは2009年に同性婚が法制化
→ 論文の第一著者の分析「結婚していることは,自死の予防となります」,「同性婚を
法制化することやその他の法的支援には,セクシャルマイノリティの人たちへのスティ
グマを減らす可能性があるかもしれません」 ※スティグマ(劣等の烙印)
(2) ジョンズ・ホプキンス大学の研究(2017年発表)
アメリカでは2015年に全米で同性婚が実現したが,より早い時期に同性婚制度を導入していた州では、高校生の自殺未遂の発生率が低下していた。
→ 研究リーダーの説明「同性婚の承認は,性的指向に関連する社会的なスティグマを低減させる」,
「平等の権利を持っているということと関連しているかもしれない。たとえその権利をすぐ行使する
計画がなかったとしても。 これにより生徒たちの後ろめたさは低減し,将来への希望とつながる」
この事から分かるのが、差別的な制度をそのまま維持することが、社会における差別やスティグマを固定化することに繋がるのではないか?と言うことです。
かつてのハンセン病も、同症状が隔離の必要がなく治療が可能になった後も隔離政策が一定期間続けられたことにより、余計な偏見や恐怖心を煽る事にも繋がりました。その事を考えると、偏見や差別を無くす方法として、まずは法や制度を整備することの重要性は高いと判断できるのだと思います。
もちろんその法や制度がどういったものか?という内容に関しては十分に議論しなければならないとは思いますが、理解が先か?法が先か?となった時に、先なのは法なのではないかと考えさせられた講演でした。
私はAGSを立ち上げ、著書を出したりもしていますが、まだまだ日々勉強中の身です。そのためブログや本などで書いていることが全て正しい訳ではありません。ですのでこうやって講演会等に極力参加し、色々な考え方や価値観を日々勉強しております。
時に私が発信している価値観や表現で嫌な思いをされる方等もいらっしゃるかもしれませんが、目指すところは全てのジェンダーが生きやすい社会を作ることです。まだまだ今後至らなかったり未熟な部分があると思いますが、今後とも宜しくお願い致します。
最後に講演資料からもう一つ引用させて頂きます。
アメリカ連邦最高裁 1954年(昭和29年)
”人間と性”教育研究協議会長野サークル「LGBTと社会」講演資料より
白人と黒人の公立学校は、設備や教師数などは全く同等だったが、分離されていた。
このような人種隔離政策が、憲法違反かが問われた裁判
(Brown v. Board of Education of Topeka)
アメリカ連邦最高裁は、このような隔離政策について、「彼らを同様な年齢と資格を
持つ他の者から,人種の違いのみを理由に隔離することは,その地域における彼らの
地位について劣等感を植え付け ,取返しのつかない仕方で心身に影響を与える」と述べた。
そして合衆国憲法修正14条(法の平等保護)違反であると判断した。