長野県小海町の町営温泉『八峰の湯』での取り組み

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おはようございます。古江です。
今回は長野県の南佐久郡にあります小海町での取り組みを紹介させて頂きます。

私が住んでいる町でもありますが、都内からは中央自動車道等を使えば2時間ほどで来る事が出来る、最も近い信州として有名です。某有名アニメ映画監督の出身地としても近年有名ですね。

11月14日に行いました長野県北信地域人権研修会でも説明させて頂いたのですが、温泉観光都市としても有名な長野県で是非導入してほしいシステムとして、温泉施設でのタイムシフト制度があります。

タイムシフト制度概要図
※一般女性の安全性も守りつつ、性自認と身体的性の異なる方も利用できる。未手術のGID(性同一性障害)当事者は、現状では実質的に男性用、女性用、どちらも利用できない


この制度は、世の中の大多数であるシスジェンダーと、身体的性と性自認が異なる性同一性障害者の両方の視点を取り入れたシステムです。近頃、”性自認が女性だから”という理由だけで女性用風呂に侵入し逮捕されるという事件が起き始めています。世界的に危うい”性自認主義”(自らの性自認のみで戸籍上の性別が変えられる仕組み)が加速している現状を考えると、こうした方は今後も増加する傾向にあると予測出来ます。

このような事が増えてくると、特に一般女性の皆様は気軽に温泉などの施設を利用しづらくなるため、心の性自認がどうであれ身体的性別が異なるのであれば、それは分けるべきであると強く思います。タイムシフト制度では図にあるとおり、営業終了時間前の1時間から2時間程度を、性自認と身体的性の異なる人達が利用できる時間とし、それが気にならないシスジェンダーの方も利用できる共用時間とする事で、双方にとって安心して利用できる環境を構築するためものです。※性自認と身体的性別が異なる海外旅行者にも安心して利用をPRできます

14日に行われました長野県北信地域人権研修会の前に、小海町の町営温泉である『八峰の湯』のほうにこのシステムの導入を提言しましたところ、地元農家が多く営業終了間近の利用客が多い&営業時間的な短さもあり、導入は難しいと言う事になりましたが、障害者用の温泉(思いやりの湯)を性自認と身体的性の異なる人達にも開放してみてはどうだろうか?という提案を受け、『八峰の湯』では性自認と身体的性の異なる方も安心して利用できる流れとなりました。(要予約)

前室
※こちらが前室。空調も整っており寒い冬でも暖かく利用できます
思いやりの湯
※こちらが温泉。外が吹雪いていたのでよく見えませんが、晴れの日は素敵な景色が楽しめます。色の違うガラスの部分はマジックミラーとなってます。湯温は40度と心地よく、源泉掛け流しの素敵な湯が楽しめます。浴槽は3~4人でも広々と使う事が可能
※オリジナルのボディソープ等。とても良い香りがします。化粧も落とせる洗顔フォームは要望を出し取り入れて頂きました

『八峰の湯』は館内も充実しており、お土産コーナー、休憩所、お食事処など、素敵な景色も楽しめます。私も利用できる事になったので度々利用させてもらっていますが、食事も美味しく館内スタッフの方々の接客も素晴らしく素敵な施設です。別の機会でまた詳細にお伝えできればと思っています。
※なお、『思いやりの湯』という名称については、利用者の立場からすると違和感を感じるため、一般的な普通の名称への変更を提言致しました。もしも利用を考えていて違和感を感じるなと思う方は、予約の際に違和感を感じる事を一緒にお伝えてください

素敵な温泉施設、温泉旅館が多数ある長野県。是非タイムシフト制度を検討してみては如何でしょうか?

AGS代表 古江鮎花 - AYUKA FURUE -

長野県を全てのジェンダーが生きやすい社会へ。アユカジェンダーサービス(AGS)代表。GID(性同一性障害)学会会員。GID学会エキスパート研修修了者。30代過ぎに性同一性障害と診断され、以降はホルモン治療を続けながら女性として生きる事を選ぶ。女性と子供の安全に最大限配慮し、性同一性障害の理解促進と誰もが愛と結婚を叶えることが出来る真の共生社会の実現を目指す。
趣味はゲームやアニメ、車や音楽と多彩。WEBやサウンドデザイン、文章ライティングやロゴデザイン等のスキルを併せ持つ。

著書:『心が女性だから』は許されない-真の共生社会への道-

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