多様性を受け入れる事への本音と建て前

ジェンダー関連 性同一性障害(性別違和・性別不合)

最近、連日のように首相周りのLGBT差別発言がニュースで取り上げられています。

BBCやロイター通信等の世界的な報道各社も、G7で同性婚を認めていないのは日本だけであることや、日本固有の閉鎖的な社会的構造に疑問を投げかけています。

多様性を尊重する社会を。口ではこう言いながら、実際には差別的発言やその固定観念を捨てきれず失言をしては謝罪する。その行為を繰り返しています。

多様性を受け入れる。全世界的にその流れになっていることで、人や組織は建前ではそう言うのですが、本音はどうなのか?というと思うところは様々だと思います。

かくいう私も、AGSを立ち上げる前(今から1年ほど前)は、軽度のトランスジェンダーやXジェンダーに関して嫌悪感のようなものがありました。私自身の性自認が女性としてハッキリしているし、一般の女性に迷惑をかけることの無いように、そして自分が女性として接してもらえるように一生懸命女性社会に馴染めるよう努力してきたつもりですので、性自認が流動的な事等あり得ないと思っていましたし、自称トランスジェンダーの男性が一般女性に迷惑をかける話を周りの女性から聞くたびに、女性としてそういった方に嫌悪感を感じる事が多々あったためです。実際に電車内で性犯罪に合った経験もあるので、一般女性が感じる恐怖心や警戒心は自分のことのように考えます。正直LGBT関係のニュースを見るのも嫌でした。

ただ、AGSを立ち上げる事を決めてからは、本格的に今までの知識を再精査する事もかねて、今一度ジェンダーというもの勉強し直しました。LGBT関連のニュースも、極力見るようにしています。

そうした中で、私自身も性的少数者を理解し、受け入れられるよう価値観を変えていかなければならない。そう思うと同時に、その嫌悪感も少しずつではありますが薄れてきたような気がします。

当事者であり、そしてジェンダー平等を掲げる私でさえこういった経緯があるのです。

素直に理解できる人もいれば、理解が現時点ではできない人もいる。これは当たり前のことなのです。

ただ大事な事として、意図的に差別的発言で人を傷つける。悪意を持って排除する。こうした人権を蔑ろにする行動は、LGBTに限らず行ってはならない事なのです。

日本社会が本当に性的少数者を理解し、法整備や社会基盤が整い、あらゆるジェンダーが安心して暮らせるようになるには、長い時間と努力が必要です。ただ私が思う事として、性的少数者の過度な権利の主張や罰則を作ることは余計に相互理解を阻む要因となると考えています。

人間は知らないもの、理解が及ばないことに対して恐怖を覚えます。その恐怖が相手を排除する思考を生むのです。日本社会に圧倒的に足りていないのは、ジェンダーに対する正しい知識と、その知識を学習できる場所と時間です。

ぜひAGSのサービスを通じて、正しいジェンダーの知識と理解を深めて頂ければ幸いです。

AGS代表 古江鮎花 - AYUKA FURUE -

長野県を全てのジェンダーが生きやすい社会へ。アユカジェンダーサービス(AGS)代表。GID(性同一性障害)学会会員。GID学会エキスパート研修修了者。30代過ぎに性同一性障害と診断され、以降はホルモン治療を続けながら女性として生きる事を選ぶ。女性と子供の安全に最大限配慮し、性同一性障害の理解促進と誰もが愛と結婚を叶えることが出来る真の共生社会の実現を目指す。
趣味はゲームやアニメ、車や音楽と多彩。WEBやサウンドデザイン、文章ライティングやロゴデザイン等のスキルを併せ持つ。

著書:『心が女性だから』は許されない-真の共生社会への道-

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