皆様アウティングという言葉をご存じでしょうか?
アウティング、これはLGBTQ+であることを本人の承諾無しに第三者に言いふらす行為のことです。
この行為を絶対にやってはいけない理由として、過去にこのことが原因でアウティングされた方が自殺した例があるからです。
アウティングは当の本人にとって非常に大きな精神的ダメージを与え、その後の社会生活に大きな影響を与えます。「何を大げさな…」と思われるかもしれませんが、過去に実際に人が死んでいることを考えると、決して大げさな事ではありませんし、それがいかなる理由であれ許されることではありません。
アウティング行為を受けたことは過去に私も二度あります。
一つは社内でとある男性責任者が、男性従業員に私の性別を酒の席で漏らしたこと。
もう一つは、2年ほど前にとある集まりに強制参加させられ、女性として初対面の方々に挨拶をしている最中に、私をその集まりに参加させた信用していた方が突然
「こいつ男だぞ。」
と笑いながら言いふらしたことです…
前者に関しても許されるものではありませんが、まだ私としては傷は浅く、一部の人間が知っているだけでした。そのときは女性としてとある会社で働いており、そこでの責任者の女性の方は私のことを知っている人間でしたが、とても理解がありサポートして頂いたことを今でも覚えています。
そして後者に関してですが、これは非常に辛い記憶として今でも残っており、その場所にさえ近づきたくないと思っています。
今後このような事が二度と起こってほしくない為、あえてこのブログで書くことにしたのですが、前職わたしは農業をしており、地元でお世話になっている方から、
「ご指名らしいぞ。」
といきなり言われ、私の予定も聞かぬままある集落の選挙活動に参加させられた時に起こりました。
郷に入れば郷に従えではありませんが、私もお世話になっている傍ら断ることも出来ず、当日の集合場所で初対面の方々に挨拶している最中、それは起こったのです。
正直、生きた心地がしませんでした…
私は見た目では女性としてパスしており、男性かどうかは実際に話し声で気づくか気づかないかと言うレベルです。実際に会う方々は私を女性として接してくれている為、その事にはとても感謝していますし、実際にふれあった方が私の性別を聞いてきた場合は正直なことをお伝えしています。
しかし、だからといって他人が第三者にそれを言いふらす事は、とてもでは無いですが耐えきれるものではありません… その方のことを信用していただけに、気持ちのショックはとても大きなものでした…
涙が止まらなかったし、町を出ようかとも本気で考えました…
ただ現実的な問題としてそれは選択できなかったために、謝罪もあってその当時は許しましたが、やはり今考えても複雑な心境ですし、それが行われた場所には今でも近づきたくないと思ってしまいます…
性同一性障害はもちろんのこと、身体的な性と性自認が一致しないことは、とても心に重くのしかかります…
普段は気にならないようなことでも確実に心にダメージを与え、それが一定量に達すると涙が溢れ泣き崩れてしまいます…
泣いて立ち直り、また泣いては立ち直り…
生きていくのが辛い、死んでしまいたいと何度思ったことでしょうか…
それでも今生きているのは、今まで知り合った数多くの方の優しさのおかげです。
だから私は、いろんな方々の優しさで生かされているのだと思っています。
アウティングが起こるのも、世の中に性同一性障害やジェンダーの知識がまだまだ浸透していないからだと考えています。
わたしはAGSを通じて、少しでもジェンダーに理解のある社会を作り、このような悲しみを無くしていきたいと思っています。