米での【結婚尊重法案】可決の背景

雑記

前回のブログで少しお話しましたが、アメリカで2022年12月13日に、同性婚を認める【結婚尊重法案】が可決されました。とても素晴らしい出来事だと思うこの法案ですが、その背景にあるものは決して見過ごせるものではありません。

理解がしやすいよう簡潔に述べさせて頂きますが、アメリカでは現在、女性の中絶が11もの州で禁止されています。それというのも、2022年6月24日にアメリカ連邦裁判所が【中絶は憲法で定められた女性の権利】という判断だったものを覆がえした事が原因です。

アメリカ連邦裁判所では9人の判事が存在し、その多数決で判断が決まります。現在は保守派が6人、リベラル派が3人となっており、超保守的な判事構成となっています。保守(旧来の風習・伝統などを重んじる)とリベラル(個人の自由・個性を重んじる)の比率が極端に違うと言うことは、公平性という意味を大きく欠く事となり、判決も保守色の強い判決が出ると言っても過言ではありません。

私は女性として生きていますが、性同一障害のため生物学的には男性、つまり子供を産むことは出来ませんし、女性ホルモンを定期的に接種していることから正常な子供を作る事も出来ません。

ただ、中絶の自由が国によって奪われてしまうことには、激しい憤りを覚えます。

中絶には倫理観的に否定される意見が多いですが、時として望まない妊娠が発生することも様々な人生の中ではあるでしょうし、生みたくても様々な理由で育てることが出来ない場合もあります。

生きていくための中絶というその手段を、なぜ国が奪い取るのでしょうか?

話が少しそれてしまいましたが、アメリカ連邦裁判所が超保守派となってしまった以上、今後も保守的な判決が出続けることが予想されることにより、民主党政権のうちに今回の結婚尊重法案を早期に可決しようとする動きが全体で高まったわけです。

AGSではジェンダーに関する活動を行っておりますが、女性の権利についても同様に強く訴えていきたいと思っております。

AGS代表 古江鮎花 - AYUKA FURUE -

長野県を全てのジェンダーが生きやすい社会へ。アユカジェンダーサービス(AGS)代表。GID(性同一性障害)学会会員。GID学会エキスパート研修修了者。30代過ぎに性同一性障害と診断され、以降はホルモン治療を続けながら女性として生きる事を選ぶ。女性と子供の安全に最大限配慮し、性同一性障害の理解促進と誰もが愛と結婚を叶えることが出来る真の共生社会の実現を目指す。
趣味はゲームやアニメ、車や音楽と多彩。WEBやサウンドデザイン、文章ライティングやロゴデザイン等のスキルを併せ持つ。

著書:『心が女性だから』は許されない-真の共生社会への道-

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