世界陸連、トランスジェンダー女性に関する規定厳格化について

ジェンダー関連 性同一性障害(性別違和・性別不合)

おはようございます。古江です。

世界陸連は2023年03月23日にトランスジェンダー女性に対する新たな規定を発表しました。というのが、テストステロン値に関わらず、男性思春期を過ごした該当者は、世界ランキングのつく女子競技に出場できなくなります。

この問題は色々な論調がなされていますが、国際水泳連盟FINAも1ヶ月ほど前に同じような決定がなされました。トランスジェンダー女性のスポーツ参加に関する意見は過去記事で詳しく述べていますので是非ご覧になって下さい。

いわゆる男性思春期についてですが、おそらくこれはFINAと同定義であると考えられます。つまり第二次性徴期を男性として過ごした場合は参加禁止となるのでしょう。ちなみにFINAでは、

男性から女性になったトランスジェンダーの選手でも、「タナー段階2(身体的発育が始まる時期)以降の男性の思春期をまったく経験していないか、12歳前の、どちらかであれば」、女子のカテゴリーへの出場資格がある

https://www.cnn.co.jp/showbiz/35189185.html

となっています。年齢は12歳以下、または上記引用の通りとなりますので、日本で言うところの中学生を男性として過ごしている場合はこの参加禁止条件に当てはまるのだと思います。

欧米では戸籍上の性別変更が自己申告制の流れになってきておりますが、これが可能になりホルモン治療が規定無くいつでも受けられるのであれば問題は無いのでしょう。ただ日本もそうですが、ホルモン治療はGID(性同一性障害)の診断が無ければ正式には出来ませんし、GIDの診断は特別例を用いても12歳以下からは開始できません。(早くても15歳くらいからです)

シスジェンダー女性の公平性を守ると言う観点では、私も常に述べているとおり、こう言った決定には賛成ですが、12歳以下から性別変更を行う事が出来る環境を整備する事も大切だと思っています。わたしは子供の頃から女の子っぽかったですが、強烈な性の違和感があった訳ではなく、大人になるにつれて価値観のズレが大きくなっていきそれに耐えられなくなった後発的なGIDです。性同一性障害を知ったのも20歳を過ぎてのことだったので、今後は社会的にも幼稚園~小学生からジェンダーの知識をしっかり身につけ、自分のジェンダーについてしっかり考える機会が必要だと感じます。

AGS代表 古江鮎花 - AYUKA FURUE -

長野県を全てのジェンダーが生きやすい社会へ。アユカジェンダーサービス(AGS)代表。GID(性同一性障害)学会会員。GID学会エキスパート研修修了者。30代過ぎに性同一性障害と診断され、以降はホルモン治療を続けながら女性として生きる事を選ぶ。女性と子供の安全に最大限配慮し、性同一性障害の理解促進と誰もが愛と結婚を叶えることが出来る真の共生社会の実現を目指す。
趣味はゲームやアニメ、車や音楽と多彩。WEBやサウンドデザイン、文章ライティングやロゴデザイン等のスキルを併せ持つ。

著書:『心が女性だから』は許されない-真の共生社会への道-

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